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【あかね噺】第165話「思っていたよりも」感想

漫画考察

2025年7月7日に公開された『あかね噺』第165話「思っていたよりも」を読みました。
今回はこの話を読んだ感想と、今後の展開について考察していきます。


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◆ “原作至上主義”正明師匠、やはり手強い

ついに開幕した瑞雲大賞。
開幕一番手のぜんまいは健闘を見せていたものの、やはり最大の壁・正明師匠から高い評価は得られませんでした。

そして今週登場したのは、予選3位通過の喧風亭さ流――こちらも会場のウケは上々でしたが、正明師匠の評価は厳しく、上位に食い込むことはできませんでした。

この正明師匠は、いわば「原作重視」の正統派。
観客を意識したアドリブや、熱のこもった演技など、原作に書かれていない要素には冷淡な評価を下しているように見えます。

審査員としての価値観を持っている以上、どこに重きを置くかは個人の自由とも言えますが、
「会場ウケ」よりも「構成や解釈の精度」を重視する彼の存在は、全出場者にとっての“高い壁”になっていることは間違いありません。


◆ 空気を支配する“超大物”

今週もうひとつ印象的だったのは、正明師匠の“存在感”の大きさです。

さ流の高座では、観客たちがどこか集中しきれていない様子が描かれていました。
理由は明白で、皆が正明師匠の反応を気にしてしまっているからです。

人気も実力も頭ひとつ抜けた“真打の中の真打”。
もはや彼の存在自体が、会場の空気に緊張感をもたらしている。

出場者だけでなく、観客にまでプレッシャーを与えるその威圧感は、某狩猟ゲームの古龍のような支配力すら感じさせます。


◆ 今大会の本命、阿良川ひかる登場

そして今週のラストで、いよいよ大会本命のひとり・阿良川ひかるが登場。
会場の盛り上がりは今大会一とも言えるレベルで、彼女にかける期待の大きさが伝わってきます。

今回、彼女が披露するのは怪談噺「番町皿屋敷」。
「一枚…二枚…三枚…」と、誰もが一度は耳にしたことがあるであろう有名な演目です。

これまでひかるは『芝浜』『搗屋無間』『花見の仇討ち』と、演技力と艶っぽさを活かした演目が続いていました。

そんな彼女が、二つ目となった今、どのような進化を見せるのか――非常に楽しみな場面です。


◆ 師匠が見せた“思っていたよりも”の評価

一剣師匠のモノローグでは、ひかるに対して「思っていたよりも競技者だった」と語られます。
本来、落語は他人と勝ち負けを競うものではありません。
芸を磨き続けて自分を表現する、言わば“自分との戦い”の世界。

しかし、声優として他人と競い続けてきた彼女にとって、“演じること”とは常に勝負だったのでしょう。

オーディションで役を勝ち取らなければ舞台には立てない。ひかるはそんな世界で生き抜いてきました。

もちろん、ライバルであるあかねやからしにも、勝ちたいという思いはあるはずです。

けれど、勝負の場に身を置いてきた経験値でいえば、ひかるのほうが圧倒的に多い――
その差が、今回の高座にどう現れるかが注目されます。


◆ 次回、ひかるの真価が問われる

正明師匠という難攻不落の壁を前に、すでに二人の出場者が跳ね返されています。

そんな中、満を持して登場するのがひかる。
彼女がどう原作と向き合い、どう演じ、どう評価されるのか。

ラストページのひかるの描写からは、圧倒的な迫力が伝わってきました。
次回、いよいよひかるの“勝負の高座”が始まります。

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