2025年6月5日に公開された『キングダム』最新話838話「入城」。
今回は、韓王と寧の決断によって城門が開かれ、ついに秦軍が「新鄭」へと入城を果たす展開が描かれました。
その中で浮かび上がったのは、謄の前に立ちはだかるという洛亜完の行動の意味、そして不穏な“悲鳴”です。今回はこの二点を主に考察してみます。
前回のキングダム837話を振り返りたい方は、以下の記事をご覧ください!
東龍門が開く──無血開城の決断と実行
前回の837話では、韓王と寧が苦悩の末に東龍の鐘を鳴らし、無血開城を決断。
結果として、東龍門が開かれ、秦軍の入城が現実となります。
妨害が懸念された夏候龍の動きも現時点ではなく、情報は外に漏れていなかった様子。
これは、韓王が極限まで関係者を絞り、近衛兵団長・張印のような信頼の厚い身内にしか無血開城の計画を伝えていなかったためだと考えられます。
その張印が「韓王の命により、新鄭を無血開城し、韓は秦国に降伏する」と告げたことで、秦将・謄は堂々と入城を果たしました。
夏候龍の動きと王族への危機
前話で妨害が予想された夏候龍ですが、今回は完全に不意を突かれた形となり、秦軍の入城を止める術はありませんでした。
しかし、ここで新たに浮かぶのは「王族への報復」という懸念です。
韓王と寧は国民の命を守るために降伏を選びましたが、夏候龍にとってそれは許されるものではありません。
降伏を知った夏候龍が怒りをあらわにする描写もあり、王族にとっては最大の危機が訪れつつあります。
洛亜完はなぜ立ちふさがったのか?その真意を考察
無事に入城した謄軍でしたが、録嗚未が警告したように「もう一山」ありました。
新鄭の中央に近い西壁にて、洛亜完率いる軍が謄軍を止める形で立ちはだかります。
洛亜完は城門が開いた後に初めて「韓が降伏した」ことを部下から知らされます。その際、彼は動揺することもなく、冷静にその事実を受け止めていました。
それでもあえて謄の前に現れたのは、単なる抗戦意思ではなく、軍人としての責任、自らのけじめ、そして寧を含む王族を守る意志が複雑に絡み合った行動と見られます。
戦闘の可能性は考えにくい
城内に侵入された以上、洛亜完軍にはすでに勝ち目はないと思います。そして、もし新鄭の中心で戦闘となれば、多くの民間人が犠牲になります。
それは「国民を守るために無血開城を選んだ」韓王と寧の覚悟を、無駄にする行為に他なりません。
また、洛亜完自身も過去に「この城を惨劇にしたくない」と語っており、無駄な犠牲を望んでいないことは明らかです。
だからこそ、ここで戦うことは選ばず、自身の言葉で秦将・謄と向き合おうとしているのではないでしょうか。
軍人としての責任感?
秦軍が新鄭にまで迫ってきたのには、洛亜完が謄に二連敗したことも大きな要因であり、洛亜完は責任を感じていました。
しかし、王が無血開城を決断した以上、ここで戦いを起こして民間人を巻き込むことはより無責任であると思います。
新鄭には夏候龍のような不安要素もまだありますし、確実に無血開城が実現するために「謄に力を貸す」ような展開もあるかもしれません。
洛亜完の役割は寧を守ることだった?
761話では、秦の将・謄が洛亜完に「姫を頼むぞ」と言い残しています。
また、835話では寧との会話で「寧様のお考えになる役割を、どうか全うしてください」と語っており、洛亜完が寧の覚悟を察していた節もあります。
それを知った上で、洛亜完自身もまた「寧を守る」という「自分の役割」を果たすため、謄の前に現れたと見ることができます。
“悲鳴”の正体は誰のものか?3つの考察
東龍門が開かれる中、「悲鳴みたいなのが聞こえた」と礼が発言。
羌瘣も驚いたような表情を見せており、ただならぬ事態が起きたことを察知しています。
この“悲鳴”の正体については、次の4つの説を考えてみました。
① 寧または韓王が実際に夏候龍らに襲われた
最も直接的な解釈は、王族に対する報復が始まったというもの。
降伏を知って怒り狂った夏候龍の描写もあり、彼が「裏切り者」と見なして行動を起こした可能性は十分にあります。
しかし、悲鳴が聞こえたのは鐘がなっている最中であり、少なくとも2人は無事である可能性が高いです。
② 夏候龍らの襲撃を“気配”として予知した
もうひとつは、襲撃そのものはまだ起きていないが、その予兆を感じ取ったという説。
羌瘣は過去に龐煖(ほうけん)の襲来など、強敵の気配を敏感に察知してきた実績があり、礼もまた勘の鋭い人物です。
この2人にだけ「悲鳴」が聞こえた描写は、直感的な危機感や死の気配を読み取った可能性を示しています。
③ すでに起きた何者かの“悲鳴”を遠くで聞いた
三つ目の可能性は、王族とは別の場所で実際に起きた悲鳴であるというものです。
しかし、あの場面の緊張感や、「悲鳴みたいなもの」という曖昧な表現、さらに羌瘣と礼以外が気づいていない描写を踏まえると、単なるモブ兵の叫びでは処理できない特別感があります。
④ 鐘を鳴らすという決断そのものが“心の悲鳴”だった
最後に考えられるのは、鐘の音と同時に響いたのは、実際の声ではなく、寧や韓王の“心の悲鳴”だったという象徴的な描写。
鐘を鳴らすという行為は、国を明け渡す決断であり、王族としての矜持や歴史を断ち切る強烈な痛みを伴うものでした。
まとめ|今後の注目ポイント
- 洛亜完と謄の結末
- 寧と韓王の安否
- 夏候龍の最終的な行動
- 新鄭の完全制圧がスムーズに進むか
- 謎の悲鳴の正体は?
王都の命運を左右する緊張の瞬間は、まだ終わっていません。
次回も緊迫した話になりそうです。
次回、キングダム838の考察はこちらの記事をご覧ください👇
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