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あかね噺166話感想|読者も巻き込む、ひかるの”緊緩の皿屋敷”

漫画考察
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『あかね噺』第166話「煌めかせる」感想・考察

2025年7月14日に公開された『あかね噺』第166話「煌めかせる」。
前回に続き、阿良川ひかるの演じる「番町皿屋敷」が描かれました。

これは筆者の個人的な感想ですが、今回は内容もさることながら、絵の迫力が凄まじかった。
演技と感情が一体化したひかるの姿は、まさに“画力が爆発していた”と言っても過言ではありません。

最後の見開きも、思わず語彙力のないポストをしてしまうほど圧倒されました。


【あかね噺166話】ひかるの原動力

幼少期のひかるは、兄の影響でアニメにハマり、やがて声優を志すようになります。

しかし、母親からは「アンタには無理」と夢を否定されてしまいます。

その悔しさこそが、ひかるが声優としての地位を築き上げる原動力になったようです。

そして今、彼女が戦っている舞台は落語。
前回の話では、一剣師匠から「競技者」と評されていました。

今回の高座には、まさに“競技者として、あかねに対する負けられないと言う気持ちが込められていました。

久しぶりの再会となるあかねとの舞台を、あくまで修行の一環として捉えられた――

もちろんあかねも、せっかくの舞台ですし、笑いを封じて勝つなどというハンデを背負わず、全力でぶつかりたかったはずです。

しかし、ひかるからしたらそんな事情は知ったことではありません。

本気でぶつかれなかったことへの怒り。
その怒りをそのまま「番町皿屋敷」の前半部分に落とし込んだひかるの演技は、圧巻の一言に尽きます。


ひかるの“緊緩”に観客も筆者も巻き込まれる

「緊緩」とは、本来は筋肉の動きを表す言葉ですが、
舞台芸術や演劇の世界では、緊張状態から緩和されたときに生まれる笑いを指す比喩としても使われます。

今回、ひかるが演じた「皿屋敷」の元ネタは、言わずと知れた怪談話。

姫路城には実際に「お菊の井戸」が現存しており、筆者も何度か足を運んだことがあります。
そのため、「皿屋敷」と聞けば、どうしても“ホラー”のイメージが先行してしまいます。

ひかるの演技も、そして漫画の絵もまさに怪談そのもの――。
ホラー漫画のような鬼気迫る表情描写により、会場全体が緊張に包まれていきます。

筆者自身も「ここからどうオチをつけるのか?」「『死神』のように、あくまでシリアスに終わるのか?」と、読んでいてゾクゾクしました。

しかしその空気が、ある瞬間を境に一変します。
後半、ひかるは自身の容姿や間の取り方、声の艶といった“持ち味”を活かした演技へと切り替え、
一気に会場を沸かせてみせました。

怒りという強い感情をエネルギーに変えつつ、
それを舞台芸としてどう表現に落とし込むか――
シリアスからユーモアへと転じていく構成は、まさに“緊”から“緩”への落差が見事に決まった瞬間でした。

あの怪談の序盤から、どうやって笑いに持っていくのか?
元ネタの怪談しか知らなかった分、その展開を予想できなかったため、観客と同じように筆者も完全に“ひかるの緊緩”にやられたと感じました。


【あかね噺166話】正明師匠の評価は…?

ひかるの高座は、それまで正明師匠の存在に支配されていた空気を一変させました。
間違いなく、ここまでの出場者とはレベルが違う。
頭ひとつ、いやふたつ分は抜けていたと言っても過言ではありません。

ただし、重要なのは“正明師匠の評価”です。
今やこの瑞雲大賞は、正明師匠を納得させた者が勝者となる大会と化しています。

しかし――
肝心の正明師匠は、今回もまったく動じる様子を見せませんでした。

もちろん、彼はもともと感情を表に出さない人物であり、
どれだけ会場が沸こうと、淡々と評価するタイプだとは思います。
ひかるの評価は、後に続くからしやあかねにも大きく影響すると思いますが、果たしてどうなるでしょうか?


【あかね噺166話】まとめ

今回の166話は、ひかるの原動力になっていたものが怒りであると明かされました。
そんな彼女の高座は、その画力と展開も相まって、思わず筆者も巻き込まれそうになるほどでした。

しかし、やはり気になるのは正明師匠の評価です。
筆者としてはかなり良い線行ってるんじゃないかと感じましたが、全く予想できません。

そして、この後に続くからしとらあかねにも注目です。
まだまだ瑞雲大賞は始まったばかりです。

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