2025年6月19日に公開された『キングダム』最新話、第840話「譲渡」。
今回は、洛亜完とヨコヨコの別れ、そして信の“違和感のあるセリフ”を中心に感想と考察をしていきたいと思います。
前回の話を振り返りたい方は、以下の記事をご覧ください。
洛亜完とヨコヨコの関係性がついに明かされる
まず注目したいのは、洛亜完とヨコヨコの関係性が初めて深く描かれた点です。
ヨコヨコは長らく被り物をしていた謎の多い人物でしたが、今回はその素顔と過去が一部明かされました。
彼はかつて、洛亜完によって命を救われた身であり、家族ごと保護されていたことが判明します。しかも、洛亜完はその家族が亡くなった後も、墓の世話までしていたというのです。
素性のわからないヨコヨコとその家族を助けた洛亜完の優しさが印象的でした。
単なる主従関係を超えた絆――恩義と信頼によって結ばれた関係だったことが分かります。
なぜヨコヨコは被り物を続けていたのか?3つの仮説
では、なぜヨコヨコはこれまで顔を隠していたのか――?
今回の話を読んで、いくつかの仮説が考えられます。
ひとつは、顔の傷を隠すためという理由。
しかし、この時代においては顔に傷を負った者など珍しくもなく、戦場で被り物をし続けるのはかえって実用的ではないはずです。
また、ヨコヨコの性格からしても、この説はやや考えにくいです。
もうひとつは、正体を隠すためという可能性。
彼とその家族は「二つの国から追われていた」とされており、素性を伏せて生きる必要があったのかもしれません。
ただし、洛亜完と出会った時点では被り物をしていなかったことから、これもやや不自然です。
もう一つの説は、「過去の自分との決別」としての被り物着用です。
血筋や因縁に縛られていた自分を捨て、洛亜完の副官として生きる決意を示すために、あえて被り物を続けたのではないか。
そう考えると、最後に被り物を外したあの瞬間――それは洛亜完との別れ、すなわち「過去との決別」でもあったように感じられます。この説はあくまで筆者の予想の域を出ませんが、今後明かされることはあるのでしょうか?
信の「国を滅ぼすってこんなものか」に込められた疑問
次に注目したいのは、信の発したひと言――
「国を滅ぼすってこんなものか…ってな…」
筆者が今回の話を読んで一番衝撃を受けたのはこのセリフでした。
飛信隊が新鄭に入城し、城内が無血で開かれたことに、隊員たちは素直に喜びを見せていました。
しかし信だけは、どこか納得のいかない様子でこのセリフを漏らします。
一見するとこれは、信が「国を滅ぼすことがあまりにあっけなかった」と戸惑っているようにも見えます。
これまでの信は、各国の強者と死闘を繰り広げ、命がけで勝ち取った勝利こそが戦の本質だと考えていたと思います。
それに比べて、今回の韓の降伏は謄による無血開城という策によるもの。
博王谷を討ち取って以降、大きな活躍の場がなかった信にとっては「ほとんど戦っていないのに国が滅びた」ように感じたのでしょう。
ですが、信の知らないその裏側には、寧や韓王、洛亜完や夏候龍といった多くの人々の選択と葛藤がありました。
確かに新鄭では武力による戦いは起こりませんでしたが、これまでなされてきた”多くの決断”は、どれも非常に重く命がけのものであり、一つの戦いだったと思います。
何より、無血開城という結果は、韓という特殊な国だからこそ起こり得たことであり、信はこの本質に気づくことができず、大きな勘違いをしてしまったように感じました。
この誤解は、今後信が別の国との戦いに臨む際、判断を誤るフラグになるのではないか?と感じました。
韓王が最後に下した決断とその意味
降伏を受け入れられず、王宮で怒り狂う夏候龍の元に韓王が現れます。
韓王は寧の支えを受けながらも、最終的には王として自ら責任を取り、最後の命令として夏候龍を排除する決断を下します。
この瞬間、韓王は「迷い続けた王」から、「自らの意志で国の終わりを受け入れた王」へと変わったのかもしれません。
韓の正式な降伏と信の疑念が示す今後の展開
こうして、韓は正式に秦への降伏を宣言。
夏候龍をはじめとする反抗勢力が排除されたことで、戦国七雄の一角がついに崩れ、咸陽にもこの知らせが届けられました。
秦は中華統一に向け大きな一歩を踏み出しました。
しかし、「こんなもんか」という信のセリフから、今後の戦いはより熾烈なものになると予想され、ここも大きな見どころになるはずです。
まとめ:今後の注目ポイント
今回は『キングダム』第840話「譲渡」の感想と考察をお届けしました。
今後の注目ポイントとしては:
- 洛亜完とヨコヨコ、それぞれの結末
- 韓王族の処遇と、寧の立ち位置
- 信の“あの発言”が示すフラグ
- 今後の秦軍の行方
韓の陥落という大きな節目を越え、物語はより一層加速するはずです。
次回以降の展開も、引き続き目が離せません。
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